現在、禁煙のための薬には、「貼る」タイプ、「かむ」タイプの2種類があります。それぞれの特徴を知って、薬選びの参考にしてください。(2023年11月現在)
ニコチンパッチは、ニコチンを含んだ皮膚に貼る薬です。
1日1回、上腕やお腹、背中などに貼ります。標準的な使用期間は8週間です。皮膚のかぶれを防ぐため、毎日貼る場所を変えるとよいでしょう。医師の処方が必要です。
(注)2006年4月1日から「ニコチン依存症管理料」が新設され、禁煙治療が保険適用になりました。一定の要件を満たす必要がありますので、かかりつけの医師にご相談ください。
ニコチンガムは、ニコチンを含んだガムで、口の粘膜からニコチンが吸収されます。
1回の使用量は必ず1個とし、禁煙し始めはすいたくなったときに我慢せずにかみ、次第に減らします。かみ方は普通のガムと異なりますので、十分に理解してから使用しましょう。
Q)50代の夫は、最近、息切れすることが多いようです。本人は年のせいだと言いますが、COPDなのではと、心配です。最近はタバコの本数を減らしているようですが、改善できるものでしょうか。s
A)COPDは聞き慣れない病名ですが、長期喫煙者の8人に1人に発症すると報告され、決してまれな病気ではありません。タバコの煙を長期間吸入することによって生じた肺の炎症性疾患です。症状は、長く続く咳・痰と坂道や階段での息切れです。
ありふれた症状のため、なかなか早期の診断には至りません。喘鳴や少し動いただけでも息苦しくなった、病気が進行したところで受診し、診断されることがほとんどです。
タバコを吸っている限り進行していきます。タバコをやめることができれば、元には戻りませんが、病気の進行を食い止めることができます。症状の改善に有効な吸入療法薬も多数開発されてきています。COPDの発見には呼吸機能検査による肺年齢が有効です。
喫煙歴のある方で、気になる症状がありましたら早めの受診と禁煙をお勧めします。
Q)タバコを吸うとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)になると聞きました。どんな病気でどんなときに疑うのでしょうか?
A)COPDはタバコの煙を長期間吸入することによって生じる肺の病気です。従来、肺気腫や慢性気管支炎などの病名で呼ばれていました。喫煙者の20%前後、ほぼ5~6人に1人、に発症する可能性があります。
40歳以上の喫煙歴のある方で、咳・痰・坂道や階段での息切れが続いたり、または風邪を引くとこれらの症状が繰り返したり長引いたりした場合に疑われます。加齢や風邪のせいだと見過ごされやすく、なかなか早期の診断には至りません。年単位でゆっくり進行する特徴があり、喘鳴や少し動いただけでも息苦しくなった中等症以上で受診されるケースがほとんどです。
タバコを吸っている限り進行していきますので、予防や治療には禁煙が重要です。最近では喘息との合併(喘息とCOPDのオーバーラップ:ACO)が問題視されています。COPDの診断には呼吸機能検査が有用です。
喫煙歴のある方で、気になる症状がありましたら早めの受診と禁煙をお勧めします。
禁煙に興味がわいたなら、気軽に禁煙治療を受けてみませんか?
対象患者の要件が緩和され、若い人でも禁煙がしやすくなりました。
禁煙治療に失敗された方でも、前回の初診日より1年以上経過していれば、再度 保険での治療が可能となり、再チャレンジできます。